鹿野 そして、そういうのと公衆衛生上のリスクをどう考えるかはまた別の話なんだよね。公衆衛生上のリスクってのは、ぶっちゃけて言うと、その対策にいくらお金をかけられるかという算盤勘定と関係してるものだから。
──と、いうと?
鹿
野 データでは、100ミリシーベルト以下では、普通の人との違いはわからなくなる。でも、安全基準はもっと少ない被曝でも、その少なさに比例して、わず
かにガンが発生すると仮定して作ってある。つまり、ガンになるという科学的な証拠はないんだけど、用心のためにそうしてるのね。なぜなら、そこが公衆衛生
上のリスク評価だから。ある確率でガンの人が出るとして、その医療費総額はいくらになるかとか見積もることができる。それと比べて、放射性物質の除染とか
の対策や健康診断にいくらお金をかけると、ガンで死ぬ人の数はここまで減らせるからトータルのお金はこの程度になるというような評価ができるわけ。
──なんか人の命をお金に換算するのには違和感があります。
鹿
野 そうだよね。ただ、対策にかけられるお金には限りがあって、それは結局オレたちが払う税金から出すしかない。冷酷なように感じるかもしれないけど、こ
ういう算盤勘定をしてお金をうまく配分しないと、助けられる人の数が減ってしまう。それは倫理的におかしいって思うのはわかるけど、オレたちができること
は有限だからね。
Posted on Thursday August 25th